矢口 新 著「実践生き残りのディーリング」 矢口 新 著 02 初めに言葉ありき-シナリオを立てる- *常になぜかを考えること、結果に至った原因を突き詰めること、相場観を持ちそれを結果から反証し続けること、それが経験を生かすというなのです。 *失敗した。なぜか。儲からない。なぜか。あくまでも原因を究明し対策を練る。漠然とした感覚を言葉によって具現化し、相場観にまとめ上げる。あくまで合理的、論理的に挑戦し続ける。はじめに言葉ありき。それは相場に向かう姿勢でもあるのです。 *私たちが客観的と考えているもの、そんなものは幻影です。 *人はまた、自分が見たいようにしか見ないものなのです。 29 窓埋めの神秘 *窓を埋め終わると再び下落するので、窓埋めは戻り売りの急所 *上昇時に窓が出来ていたなら、窓埋めは押し目買いのポイントです。 *ようやく値が付いて最初に来るのはストップロスの嵐 *ひとたび冷静さを取り戻すと、今度は窓空きの原因となったものに冷静に対処する必要を見出すことでしょう。それだけの動きには、根拠があったはずです。 *ひとことで結論を述べるなら、トレンドに逆らう形でポジションが膨らんでいった窓開きは、埋められます。反対に、トレンドに沿ってポジションが閉じられていく窓開きは、埋められないと理解してよいでしょう。 いずれにせよ、窓は一種の異常事態です。少なくとも、埋められるまでは記憶されてしかるべきだと思います。これも相場の節目なのです。 39 高値売ろう安値買おうは損の元とはいわれても *相場観が当たっているのに損を出すと、後々に響きます。 *私たちに中途半端は許されません。熟慮に熟慮を重ね、常に真剣勝負ぎりぎりの高値、安値を狙っていく。そうまでしても10割など取れないものです。 心配せずとも、6~7割も取れれば上出来なのです。 45 ポジショントークはこう聞く *実はこれが危険なのです。同じ方向にポジションを持った、似たような意見の人とばかり話していると、バランス感覚を失ってきます。 *相場観など、単なる仮説に過ぎないのに、事実のように思え「どんと来い」となってしまうのです。 47 順張りか逆張りか *一度抜けてしまうと、そこで新たなレンジを形成し、その外堀を売り買いのオーダーが埋めていきます。 *そしていよいよレンジが抜けてやられたとき、損切りと同時にポジションを入れ替えて倍返しをし、順張りで残りの相場をとりにいくのです。 *値動きには順張り、市場心理には逆張りで向かいます。 したがって、高値警戒感が市場を支配しているときはまだ買えますし、こんな大底で売れるかといわれるときは売ってよいでしょう。 そして市場心理が値動きを追認し、総強気、総弱気となったときに逆張るのです。 56 回転を利かす *相場が思うように動いてくれると、だれしもわきが甘くなるものです。こんなときに誘惑にくるのが大儲けの記憶、成功体験です。 *プロや専業の投資家は、一回の好機で大儲けを狙うのではなく、いつも安定して儲ける人種 57 買い乗せは2回まで *勝ちを大きくするための急所は、買い乗せです(売りから入った場合には、売り乗せ)。 *買い乗せのタイミングは、抵抗線を抜いてゆくとき *買い乗せや売り乗せを繰り返して、ポジションをどんどん膨らませてゆく攻めの手法があります。末広に買う(売る)、英語ではピラミディングといいます。 *買い乗せの難しさは利食いの難しさに通じます。逆に行けば、案外に早く利益などなくなってしまうものです。 これを防ぐには、下での買いコストを忘れて、最後の買いのコストを全ポジションのコストだとみなすことです。要領は損切りと全く同じ。 62 要は踏み込むこと 勝負事にとっての躊躇は、百害あって一利なしだからです。 63 躊躇するものは負ける *躊躇を慎重と言い換えようと、決断をためらったものは負けるといえます。恐怖や欲、甘い誘惑、さまざまな罠に立ち向かうには、はなから受けつけないという毅然とした態度が必要なのです。そのためにはあらゆる状況を想定して、あらかじめ吟味しておくことが必要です。 84 しのぎ方 *上げ相場で買ったのに、たまたまの押し目で損切らされることなど、相場では日常茶飯事です。 *忍耐が必要なのはポジションなしで、入るレベルを待っているときです。「機会利益を逃すかもしれない」という恐怖感と戦わなければなりません。 *相場での一番大きなコストとは、損切りコストです。逆に行けば損切る。これは鉄則です。 *負けが込んでいるときの対処には、金額を減らすことでコストを下げるしかない。 焦らないことです。明日を読むという相場の仕事は、明日を信じることでもあるのです。 86 損切りの徹底 *損きりが難しいなどといっているうちは、まだ駆け出しです。 羽のない人間ならば、命綱をつけることをためらうべきではありません。 89 自らを針のむしろに追い込んだ人たち *「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」 91 3勝7敗のディーリング 95 人に勝つより自分に勝て *相場はひたすら自分との戦いです。 *リスクとリターンを生々しい日本語に意訳すると、恐怖と欲 *相場に対する知識も技術もある。相場観にも見るべきものがある。勝てて当然と思える人も負けます。彼は人には負けていないのです。 彼の内なる敵は、過信、油断、強欲、恐怖心、そして、甘さもまた大きな敵であるといえます。 ジャンル別一覧
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